此岸の傍観者

見たまま&気ままに写し撮ったものたち

佐賀の桜を探してみた ~ 宝珠寺・光蔵寺

 

半世紀とまではいかないが、5年や10年どころではない昔の思い出だ。

免許を取り立ての友人と、友人の車で桜を見に行った。

佐賀県だったと記憶している。

そして目指した場所は結構田舎の方で(当時はナビは無く、ガラケーすら所持していたか怪しい時代なので、情報は旅雑誌か口コミだった為)迷いに迷って、もうドコを走っているのか判らないという状況下で某所に辿り着いた。

枝垂れ桜がとても綺麗だった。

まだ若い桜のように見え、「あと10年もすればもっと見事な花を咲かせるだろうね」などと通人ぶったことを言ったように思う。

帰り道も当然迷い、「佐賀で桜を見るのは遭難する覚悟がいるぞ(笑)」と方向音痴の自覚もないまま「佐賀の桜」を数年ネタにし、そのまま忘れていた。

それを何十年も経った今になってふと思い出した理由は-------‥よく判らない。

場所にしたって漠然とした記憶と、昨今の桜情報から導き出しただけで、確信があるわけでもない。

さらに桜も最盛期を過ぎ、恐らく見に行ったとしてもあの時のような花には出会えない事もハイリスク・ローリターンすぎる。

-------‥なんだかなぁ・・・これも桜幻惑かねぇ。

だが思い出してしまった以上、捨て置く事は難しい性分なので、数十年前よりは幾らかしっかりした情報を携えて「思い出の枝垂れ桜」を訪ねてみる事にした。

 

<宝珠寺の姫枝垂れ桜>

桜に罪はない・・・こちらが遅すぎたのだ

静かに散っていく

また逢いましょう

趣のある御寺さん

-------‥人の記憶は(と言うより私の記憶は)アテにならない。

それどころかアヤフヤであればあるほど勝手に改竄するから信用ならない。

つまり、宝珠寺で合っていたのか違っていたのか・・・判断がつかなかった。

-------‥なんでもう少し早く再訪しようと思わなかったんだろう。

毎年春はやってきて、桜は咲いていたろうに。

 

<光蔵寺の枝垂れ桜>

幸いに花が残っていてくれた

水面に枝垂れる

柔らかに慰撫される

いいんだよ、と優しいささやき

枝垂れて無くとも

 

こちらは宝珠寺さんを探している途中に巡り合った。

更に確信がもてない-------‥いや、たぶんココではなかったろう。

放っておけばガンガン記憶を上書きしようとする厚かましい脳みそに喝をいれ、ただ素直に拝見しなければ申し訳がないほどに優しい桜だった。

 

蕾のほうが色濃い事を知る

この取り合わせで何枚撮ったやら

枝垂れの醍醐味

桜雨降る

 

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ここからは番外編

 

花檻の中の獅子

桜色をマーブルに

季節を乗り越えて今

ともに引き立てる

守護樹